＜この企業の評判＞

株式会社やしまは、1985年に呉服店として創業して以来、着実に業績を積み重ねてきた。しかし、着物の需要が今後大きく伸びるとは考えにくいのが呉服業界の現実である。新しい基軸を生み出し、需要を喚起していくことが、業界全体の急務と言える。
そこで、やしまでは、着物を『買う』だけではなく、『体験』してもらう場を提供するため、和服で社員を撮影する写真スタジオ事業に参入した。お客様の大切な節目の日、カウンセリングによって自分に似合う着物を選び、プロがヘアメイクから着付け、撮影まで行う。
子どもや若い世代がメインターゲットとなるこの事業は、デジタルマーケティング（WEBマーケティング）に力を入れたことが幸いし、順調に業績を伸ばしている。
現在はグループ企業化し、販売事業として、株式会社ナカスカコーポレーションが『きもののやしま』を、株式会社E・Iコーポレーションが『笑顔創造写真館ニコ』の名称で写真スタジオを展開している。グループ全体がデジタルマーケティングの仕組みを導入し、SNSなどをフル活用してお客様との関係強化に努めている。

＜この代表の魅力＞

多くのお客様にとって、着物は『ハレの日』に着るものである。大切な一品を選ぶシーンに寄り添う以上、１人のお客さまとは長いお付き合いが基本。代表取締役の中須賀氏はそう考えている。
お客様の大切な瞬間を写真として残す上で重要になるのは、『お客様との信頼関係』である。そのため、中須賀氏は人材育成にも力を入れている。スタッフの人間性が磨かれることは会社の成長にもつながり、何より、お客様から『あなたが担当で本当に良かった』と言われた時の感動もひとしおだからである。
定期的な合同会議などよって積極的に現場の若手スタッフの意見を聞くことは、古くなりがちな業界の慣例を払しょくするだけではなく、若い社員にとっての刺激にもなる。また、現場スタッフと経営陣である管理職社員が一緒に仕事に取り組むことで、意思浸透が徹底され、会社全体が団結し、働きやすい環境づくりにもつながっていく。
一緒に歩むスタッフとともに、『和装振興企業』として１００年以上続く、世界一の企業を目指し、『着物という夢』を売る仕事でありながら、社員の夢も同時に叶えられる。中須賀氏はそんな会社を目指している。