<この企業の評判>
玉寿司は1924年創業の老舗である。
北は札幌から南は名古屋まで約30の店舗を展開し、毎年のように増収増益を達成するなど、業績も順調に推移している。
職人がカウンターで寿司を握り、直接お客様へ提供する寿司屋では、味や技術、素材の安心感だけではなく、接客態度や身のこなし、会話のセンスといった従業員の『人としての魅力』もお客様からの評価に大きく関わる。そのため、玉寿司では人材育成に力を注いできた。
人が成長するためには、動機となる仕組みがあり、さらにそれを継続させていくことが重要となる。例えば毎朝の『活力朝礼』は、30年以上、欠かさず続けている。全員で経営理念を唱和することで、玉寿司で働く心構え、お客様への感謝の気持ちを日々確認している。
中でも毎週月曜日は、全店舗を電話会議システムで結び、一斉に朝礼を行っている。全店舗の従業員が同じ時間と考えを共有し、経営理念への理解を深めるとともに、玉寿司の一員としての自覚を深めている。
<この代表の魅力>
代表取締役社長の中野里氏は、職人の技術においても、その育成のためにさまざまな取り組みを行っている。特に『社内すし技術コンクール』は、長年継続している玉寿司の一大イベントである。
全店舗からノミネートされた板前が、初級と上級に分かれ、接客、笹切り、仕込みなど、種目ごとの腕を競い合う。このコンクールで優勝することは、若い板前にとって大きな目標であり、日頃の鍛錬の動機付けにもなっている。
近年は海外からのお客さまも増え、日本文化としての寿司はさらに注目を集めている。この流れに注目してはじめたのが、外国人観光客向けの『寿司にぎり体験』である。手探りのなかではじまったチャレンジであったが、世界的な和食ブームも後押しし、大きな反響と好評を得ている。日本人のお客様からだけでは得られなかった新鮮な気づきや刺激をいただき、日本の文化を世界に向けて伝える新たな使命を得たことは、板前をはじめとする従業員の、さらには企業としての成長にもつながっている。