<この企業の評判>
従来の障がい者福祉は、行政が主導する『措置制度』として行われてきたが、障がい者の方々やその家族の多様なニーズにかなうものではなかった。
地元の社会福祉事業団で働いていた理事長の篠田氏は、2003年に『支援費制度』が制定され、民間事業者が福祉サービスを提供できるようになったことを機に、知的障がいや精神障がいのある方の就労、生活を幅広くサポートするべく、NPO法人を立ち上げた。
『障がいのある方が、なじみのある地域で自分らしく生きがいをもって暮らせるよう、生涯にわたって切れ目のないサービスを提供したい』法人設立の原点はこの一言に尽きると篠田氏は言う。しかし、こうしたごく自然の願いも、障がいのある方にとってはさまざまな困難が伴う。そこで、まずは障がい児、障がい者のホームヘルプ、生活介護、グループホームの各事業を立ち上げ、『将来の自立』を見据えた活動の第一歩を踏み出した。
2014年には国や県の委託を受け、働きたいと願う障がい者と企業との橋渡し役を担う『障害者就業・生活支援センターくるくる』を設立した。こうした地道な活動が実を結び、年間就職者数は全国平均を大きく上回っている。
<この代表の魅力>
理事長である篠田氏の原動力は、『障碍者であっても働くのが当たり前の世の中をつくりたい』という強い想いである。想いを実現し、末永く事業を継続していくためには、ビジネスの視点も必要である。
そのため、目標数値を設けた営業活動や就職先の新規開拓など、一般企業の経営であれば当然とされることを実行し、事業ごとの損益バランスにも気を配っている。
また、新しい取り組みとして、通信制高校と提携し、『くるくる高等教育部/明蓬館SNEC愛知』も開校した。従来の『福祉』という枠を飛び越え、今までにない支援のあり方を開拓しながら、今後も障がいのある方々とその家族に多様な未来を提供していきたいと考えている。
設立から10年以上が経過し、経営的に苦しい時期もあったものの、それをはるかに超える喜びを分かち合ってきたと篠田氏は自負している。
障がいのある方々やその家族、職員、活動をサポートしてくれる仲間に囲まれ、互いの成長を実感しながら、日々幸せを感じている。